GeeBee Model Z SuperSportster "City of Springfield" (1931)





GeeBee Model Z SuperSportster (1931)

 GeeBeeとはこの機体を作り上げた新興航空機メーカー、グランビル・ブラザーズ・エアクラフトから来ている名前。 長兄のザンツフォード・グランビル以下5人の兄弟で営まれていたこの会社は世界恐慌の折りの経営不振にあえいでいました。 その起死回生策として当時盛んだったレースの賞金獲得を目指し、大パワーのエンジンと当時最新の空力理論に基づいて極端に太短い胴体を組み合わせたこの機体を作り上げました。

 1931年の米国ナショナルエアレースイベント。そのひとつになっていたパイロンレース、トンプソン杯に持ち込まれたModel Zは彼等の地元の街に因んで"City of Springfield"と名付けられ、ロウェル・ベイレスの操縦で優勝、この年の他のレースイベントにも優勝を重ねました。
 しかしその12月、より大型のエンジンに換装されたModel Zは陸上機の速度記録更新飛行に挑みましたが、挑戦中に突然姿勢を崩し墜落、ベイレスも死亡しています。 その後の調査では機首上面に付いていた燃料キャップが脱落し、それが風防を突き破ってベイレスの頭に直撃したのが原因ではないかと言われています。





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